【三重県紀北町】節分に和製ハロウィン?たいさばという行事を知ってますか?

2月3日といえば、世間は節分。
 
僕は幼少期、紀伊長島町(現在は海山町との合併により紀北町)という三重県南部にある漁師町で育った。ここの節分は一味違うんです。
 
皆さんはたいさばという行事をご存知でしょうか。
 
当時は知らなかったよ。日本でもここ紀北町にしか無い行事だということを。今になって当時の事を懐かしく思いながら綴っている。この素晴らしいイベントを皆さんにも紹介したい。
 
 
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たいさばって?

先程から、なんだその言葉は?とお思いかと思います。想像通りかもしれませんが、語源としては鯛と鯖です。
 
新しい年を迎え、今年もたくさん魚が獲れるようにと願う“叶豊漁”の祈りが、「鯛・鯖売って」の行事につながっている。節分の夜、船主の家々をまわり、「魚をようけ(たくさん)獲ってきたんやってな。私の家にも分けてほしい。」「そうか、おかげでようけ獲れたんや。売ってやろう。」こんな人々の豊漁を願い、祝う気持ちが「鯛・鯖売って」の行事になったとされる。
 
 
そうです、漁師町ならではの知恵からきております。しかし今はさすがに家々を回って魚を貰うような事はしません。しかも夜分に。
 
今では、子供達が大きな袋を持って近所の家を回ります。そして貰うのは魚ではなくお菓子(特に数十円の駄菓子)。とにかく袋いっぱいに駄菓子をゲット出来るという、これが小学生ながらにすごく楽しみなイベントだった。
 
ちなみに、たいさまとも言う。
 
 

たいさばの流れ

2月3日は節分の日なので豆まきを終えると、夕方から子供達は大きな袋を持って準備。友達と行くことが多かったかな。子供にとっては昼間ではなく、夜に集まって遊ぶという事も一大イベントなのだ。
 
もちろん、自分の家でもお菓子の準備はされていました。玄関には大きなダンボールに入ったお菓子の山。今思うと各家のセンスが問われるね。
 
 
そして、出発!
 
 
「たいさばうってー!」
 
 

「たいさまうってー!」

 

町中には子供がたくさん。近所の家を訪ねてはお菓子をもらい、次の家に行ってはまたお菓子を貰う。
 
 
「たいさばうってー!」
 
 
町は子供達の言葉で活気付く。
 
まさに日本のハロウィン。和製ハロウィンだ。「trick or treat!」ではないよ。
 
 
僕の時もそうでしたが家を訪ねた時に、家の人が出てきてお菓子をくれる場合もあれば、玄関先に箱が置いてあり「ご自由にお取りください」という事もあった。
 
それを暗くなるまで行うのである。
 
これがたいさばだ!
 

まとめ

今考えるとこんなにあたたかい町ってなかなか無いだろう。素晴らしい行事だったと大人になってから改めて思う。ちなみにこの行事が行われるのは紀伊長島町でも西長島だけ。だから東長島で勝手に人の家に入っちゃダメですよ。
 
大きなビニール袋で2袋くらいにはなってたなぁ。学校から帰ると駄菓子を食べるという日々がしばらく続いたのも懐かしい。
 
これからもずっと続いて欲しい伝統行事ですね。
 
 
バーイ!
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