映画レビュー(ネタバレあり)です。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の5作品名は『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』
前作『マイティ・ソー』のレビューは下記より
キャプテン・アメリカと聞いてなんとも言えない名前だなぁと思ったところはありましたが、結果的に観てよかったと思えた。今作の舞台は第二次世界大戦中の1942年3月です。ナチスの時代ですね。
簡単に言うと、誰もが一度くらいは目にしたことがあるキャプテン・アメリカさんの誕生のお話です。
キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー | Captain America: The First Avenger |
公開年 | 2011年 |
上映時間 | 124分 |
監督 | ジョー・ジョンストン |
主演 | クリス・エヴァンス |
簡単なあらすじ
第二次世界大戦中の1942年、ナチスの将校ヨハン・シュミットはノルウェーに侵攻していた。そしてコズミックキューブという秘宝を奪取する。
このことはアメリカの映画館でも上映され、アメリカ中に知れ渡る程のニュースとなる。そんな最中ニューヨークで、愛国心と正義感の強い貧弱な青年スティーブ・ロジャースは軍への入隊を志願していたが何度も断られていた。
ある日、入隊の決まっていた親友のバッキーと未来技術展覧会を訪れると、そこでも兵士の募集があった。諦めきれないスティーブは再度入隊の申込みをする。
戦略科学予備軍(SSR)の科学者だったエイブラハム・アースキン博士は彼の正義感と強い意志を見定め、「スーパー・ソルジャー計画」に参加し軍人になることを勧める。
最初はスティーブの参加を反対していた軍の関係者も段々と彼の行動を認め始めていく。そして正式に「スーパー・ソルジャー計画」の被験者になるのである。
後のアイアンマンであるトニー・スタークの父、ハワード・スターク達に囲まれる中、計画は遂行されるのである。無事に成功するとスティーブは身長も伸びマッチョなスーパー・ソルジャーになったのだ。
一方その頃ヨーロッパでシュミットは、奪取したキューブを新エネルギーとして新兵器を開発し、脅威となり始めていた。
感想
何となく目にしたこともあり名前も聞いたことのあったキャプテン・アメリカがこうやって誕生したのかという経緯が分かる映画でありストーリーも軽快だ。そんな中でも、アイアンマンことトニー・スタークの父であるハワード・スタークが結構な頻度で登場する事が嬉しかったし、この作品でやっとハワード・スタークのビジュアルが公開されているのである。前作『アイアンマン2』でも語られていたが、S.H.I.E.L.Dの長官ニック・フューリーの「共に仕事をした優秀な発明家」という言葉が思い出される。
スーパー・ソルジャー計画が行われるまでの主人公スティーブ・ロジャースは少し華がないような印象だった。計画後、キャプテン・アメリカになった後のようにスーパーヒーローには筋肉がつきものだ。僕も頑張って筋トレしようなんて思わせてくれる。
マーベルでは恒例なのかだろうか?そもそも洋画では恒例のチェイスシーンも今回は一味違った。ここぞとばかりに肉体の強化をアピールしてくれるスティーブ。裸足で街中をダッシュし奪われた血清を追いかけるシーンは見どころだ。
「君は国民的ヒーローだ、対象者じゃない!」からのキャプテン・アメリカ登場シーンでは、古き良きアメリカの演出が映像から観られる。アメリカン・ドリーム的なヒーローの登場だ。
また、チアガール(マーベルって○○ダンサー的なの好きだな。)のコスチュームとダンスがかなり楽しめた。この映画で一番の見どころと言えるのでは無いだろうか。そして何よりキャプテンが程よくダサい(笑) ある意味、アメリカ国民には親しみやすいキャラクターであるという事は分かるよ。うん。
敵も重要である。今作の敵はナチスの将校であるシュミットだ。同じく血清を打ったが未完成の血清だった為、副作用によりレッドスカルになってしまい悪の部分が増強されてしまったという何とも悲しい男である。共通して、敵や悪って悲しい過去からの反動だよね。
また、シュミットは部下のゾラ博士にキューブを使わせて新兵器のエネルギーにさせる。ここで僕が注目したいのはゾラ博士の方。ゾラ博士を演じるトビー・ジョーンズはすごく良いキャラクターを演じていると感じた。性格俳優としても有名でハリー・ポッターシリーズではドビーの声を演じている。
キャプテンが敵を倒した後に司令塔と最後の通信を行うシーンでのやり取りは、自分が犠牲になって世界を救うというヒーローぶりがみられる。ペギーに対しての「ダンスは延期にしてくれる?」、「踊り方がわからない」だんだんと死を受け入れながらの会話はとても悲しい。目が潤んだ。
今作を見るまでキャプテン・アメリカってちょっと地味なイメージがあった。この意見は結構多いと思う。しかし観終わったらイメージがガラリと変わった。今までのヒーローとは違いとにかく真面目で優しいヒーローだった。次回の登場で他のヒーロー達との絡みが楽しみだ。
好きなシーン&おススメ見どころ
- スーパー・ソルジャー計画で強化されたスティーブの肉体美お披露目のシーンでは、パンが焼けたのかな?と感じられる。オーブン開けた時みたいな感じよ。
- チェイスシーンで、人質に取られた少年が海に落とされキャプテン・アメリカが心配するシーンで一言「泳げるよ!奴を追って!」←生意気か。
- 酒を飲み乾杯するシーンでの「血清を打つから飲めない」という地獄の状況かつ、セリフは色々と考えるものがあるだろう。血清は筋肉だけでなく細胞にも作用する。つまり酒に酔えないという、代謝4倍の身体になったキャプテン・・・これはかなりの副作用だ。
- バッキーを助け出すシーンでの「俺が付いてくのは、弱いけど逃げないもやし野郎だけだ。」というキャプテン・アメリカへの一言は見どころ。色々と深みを感じる言葉だよね。
- 今作キャプテン・アメリカの武器はあの有名な盾だ。身を守るための盾で敵陣に潜入するシーンではメタルギアソリッドを思わせるスリルを感じることが出来る。あの盾だがハワード・スタークが用意した物だったのだ。「盾を振り回すだけの野郎」と言われてしまうが盾で戦闘するヒーローも悪くないものだ。
まとめ
血清でヒーローが誕生し悪と戦うという王道であり、アメリカ全開な至ってシンプルなストーリーではあるが、時代設定が1940年代ということもあり映像も合わせて楽しめるだろう。
意外にもアイアンマンであるトニースタークの父、ハワードスタークの若かりし頃が随所で観られクロスオーバー作品ならではの興奮を味わうことができる。そして何より選ばれる人間には正義の気持ちが必要ということだ。キャプテン・アメリカ・・・映画が進むにつれて段々と好きになってくるぜ。
エンドロール後、マーベル・シネマティック・ユニバースのフェーズ1最終章「アベンジャーズ」への期待高まる映像が・・・楽しみだ。
バーイ!